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ベスパの特徴

ベスパ

伝統の継承

ベスパはイタリアのバイクメーカー、ピアッジオのブランドの1つで、1946年に製造が開始されました。
ベスパという名はイタリア語でスズメバチという意味で、同社製作のスクーターの排気音が由来だといわれています。
ベスパはスチールモノコックボディと駆動部まで含めて一体化されたスイングユニット、モノコック構造や前輪の片持ちサスペンションハンドシフトと名前の由来となる2ストロークエンジンが特徴でした。

しかし2000年以降、欧州規制により2ストロークが廃止の方向へ転換すると、4ストロークとVベルト式CVTの組合せへと変更していくことになります。
しかしそれ以外の部分の変更は行われず、伝統的な部分は継承され続けています。
ベスパの乗り心地や特徴は、すべてその伝承的な部分に関係しています。

ベスパはスクーターメーカーの代表的な存在ですが、現在流行であるビッグスクーターの製作は行っていません。
最大排気量は278ccでビッグスクーターに搭載できるエンジンは持っているのですが、それでも製作を行わないのはベスパの伝統にそぐわないからといえるでしょう。

ベスパのデザインは一環しており、直線的なデザインを登場させてもどこかしら伝統的なデザインの匂いを残したものとなっています。
スチールモノコックボディはベスパの特徴の一つとなっていますが、そのボディは現代スクーターのFRPやプラスティックと違い頑丈なのですが、スチールは素材としては重量が嵩みます。

ですが長年のノウハウにより最大排気量であるGTS300i.e.ですら、重さを感じさせることはありません。
ただイタリアと日本という気候の違いがありますので、錆がつきやすいので注意が必要です。
伝統的なボディデザインを継承していますが、近代スクーターに必要な収納は、メットインスペースとフロントの小物入れがあり、困ることはありません。

優れたスクーターゆえの

ベスパは伝統的なデザインが特徴なのですが、それが欠点になることがあります。
トータルなデザインに優れていますが、足つき性はあまりよくありません。

イタリア製のベスパは、イタリア人に合わせて作られており、日本人ですと少し高めということになります。
デザインをバイクトータルで計算しているため、50ccであっても低いということにはならないのです。

もう一つは優れたスクーターですので、長距離走行には向いていません。
排気量に関わらず軽快に走ることができるバイクですので、その反面長距離では乗り手に負担がかかることになります。
また車種によっては高速道路での走行が可能となりますが、上記と同様に機敏であるため高速の安定感が少なく苦手となります。

滅多に見かけることはありませんが、旧式のベスパは、オートマティックではなくハンドシフトでの変速機付のモデルがありますので、慣れた人でないと運転が難しいものがあります。
お手軽に使いたい人には敬遠したい車両ですが、マニアにとっては憧れの車体となっています。