変態?スズキ
口の悪いバイク乗りは「変態スズキ」「鈴菌」と呼びます。
他のメーカーのファンは、スズキを好みませんが、スズキファンは固定ファンが多く、スズキから乗り換えることはあまりありません。
ではなぜそのような固定ファンが多いのに、他からそう呼ばれるのかというと、スズキというメーカーに独特の特徴があるからです。
変態スズキといわれる最大の理由は、そのデザインにあります。
国内どころか国際的にみても、類似しないデザインを発表するのですが、当たり外れが多く、当たりは世界的ブームになり、外れはまさに“変態”としかいいようのないデザインであることがあります。
他のメーカーファンからすると、デザイン的にも機能的にも考えられないような突拍子もないデザインであることがあり、変態と呼ばれてしまうのです。
またメカ的にも斬新なメカを古くから取り入れています。
古くはロータリーエンジンに始まり、スポーツバイクにシャフトドライブ、Ⅲ型カタナのリトラクタブルライト、GSXRの油冷エンジンなどです。
デザインもメカも数年で姿を消し、新型が投入されているのですが、それでもスズキファンは継続してスズキに乗り続けます。
異常なバイクを好むマニアックな人たちばかりなのかというと、そうではありません。
スズキは外れも多いのですが、当たりも多く、その当たりはバイクの流行さえ変えてきました。
世界的大ヒットのGSX-Sカタナ、2stレーサーレプリカブームの火付け役RGγ、同じく4stのGSXR400、レースの流れを変えたGSXR750、市販車世界最高速の隼などがあります。
特にGSXR1000は、近年のレースの流れを左右しており、スズキが斬新的な新型をデビューさせると他メーカーも翌年パワーアップさせるという風潮になっています。
スズキは斬新的なバイクを発表し、常に新しいものへとチャレンジし続けているため、どれが世界の流行になるか分かりません。
そのため鈴菌に感染した人たちは、その魔力に取り付かれたように乗り続けるのです。
最強パートナー
またスズキは、ヨシムラという強力なパートナーが存在しています。
アフターパーツメーカーであるヨシムラですが、スズキとの協力関係は非常に強く、ヨシムラとの共同開発パーツが新車に装着して発売されるほどです。
ヨシムラはもともとホンダのチューニングを行っていましたが、契約解消後カワサキZ1のチューニングを行い好成績を得ました。
ですがフレームはチューンについていけず、フレームも頑丈であったGS1000へと変更します。
そのGS1000でAMAや鈴鹿8耐を制していきます。
それ以降ヨシムラとスズキの提携は続いており、現在は2stから4stへと変換されたモトクロッサーのマフラーも販売されています。
斬新ゆえに
スズキの変態といわれるデザインは乗り心地にはあまり影響を与えません。
ただ新採用のメカ的な部分は、少しクセがあることがありますので、新機能搭載マシンは初心者は避けたほうが無難かもしれません。
またスーパースポーツの逆輸入車は、かなりスパルタンなモデルですので、乗り手を選ぶ傾向にあります。