苦難の歴史
ビューエルはハーレーダビッドソンのエンジニアであったエリック・ビューエルが創設しました。
1986年ビューエルモーターサイクルカンパニーとして設立され、1998年ハーレーダビッドソンに買収され社内ブランドとなっています。
しかし2009年にハーレーはこの事業からの撤退を決定し、2012年再び独立します。
ですが2015年破産が報じられ、新型の登場は現在不透明となっています。
ハーレーなのに
苦難の歴史を辿っているビューエルですが、バイク乗りの評価は悪くはありません。
基本的にハーレーダビッドソンのエンジンをチューニングして使用しており、車体をビューエルが製作しています。
ハーレー本社においても、ダートトラック車両やAMAの車両は製作されています。
ですがビューエルはそれとは異なり、完全なスポーツタイプとして仕上がったバイクです。
ハーレーのエンジンはトルクは低回転からでて力強いのですが、上はまったく使えません。
高回転域になると所謂「ふん詰まった」状態になります。
ですがビューエルは回らないといわれたハーレーのエンジンを高回転まで回るようにセッティングし、鈍重なレスポンスを軽快なものにしています。
そして車体ですが、とにかく小さいというのが特徴です。
通常1200ccクラスが小さくなると600~750ccクラスを想定するのですが、ビューエルはさらに小さく、国産250ccクラスの小ささです。
またハーレーの特徴ともいうべきV型2気筒の振動をフレームとパワートレインをラバーマウントで繋ぐことにより少なくしています。
マフラーやサスペンションエンジンなど重量がかさばるものを車体中心の低部に集中させマスの集中化を行っています。
そしてキャスター角を立てることにより、小さい車体をよりホイールベースを短くし俊敏な運動性能を実現させています。
これによりビューエルのマシンは、1200ccとは思えぬ軽快さを実現させ、ライダーの技量を問わず街乗りからワインディングまで快適に乗りこなすことが可能となっています。
ビューエルにはSとRがあります。
Rはよりレーシーな仕上りとなっています。
ですがハンドル位置が低いため、長距離を走るのであればアップハンドル仕様のSをお勧めします。
注意点
ただ欠点としては、前出のことがあり、部品の供給が不明瞭なことがあります。
在庫があれば良いのですが、取寄せとなるとかなりの時間が掛かることが予想されますので、転倒や立ちゴケなどには特に注意が必要となります。
またレスポンスが上がり、高回転が回るようになったといってもベースエンジンの基本性能が格段に向上しているわけではありません。
小型軽量な車体とトルク性能で出足が鋭く、コーナーリングの立ち上がりには強いのですが、絶対的性能はスーパースポーツモデルには適いません。
ビューエルはスポーツを行うバイクではなく、走るのを楽しむバイクなのです。