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交差点で遭遇しやすい右直事故

右直事故は悲惨な事故になりやすい

右直事故とは、交差点を右折しようとしている自動車と、反対車線を直進してくる車との衝突事故のことです。
全国における交通事故の発生件数を見ると毎年3万件以上の右直事故が起こっており、起こりやすい事故のタイプと言えます。

右直事故における過失責任においては、道路交通法第37条を考慮した判断が下されます。
これは、右折しようとする車と反対側から直進してくる車とでは、基本的に直進する車が優先だと定めたルールです。
つまり、右折する車は走行の安全性を確保できるまで待たなければいけないのです。

さらに道路交通法2条の1項22号では、直進車が方向や速度を急に変更しない限り、右折する車が直進車の進路を妨害してはいけないとも定めています。
この2つの規定から、右直事故が起こった場合には、基本的に右折車に大きな過失割合が課せられるのが一般的です。

ただし直進車にとっても、過失の割合はゼロというわけではありません。
道路交通法36条では、交差点に入って右折しようとする車が前方にいたら、速度を落として安全走行をするようにと定めています。
つまり、直進車は自身が優先だからと言って、目の前に右折車がいるにもかかわらず速度を緩めないという行為をするのはNGなのです。
これらの道路交通法に基づいて、右直事故の過失割合は直進車が2割で右折車が8割がデフォルトとなっています。

右直事故では、民事責任だけが問われるわけではありません。
もしも右直事故によってどちらかのドライバー及び同乗者が死亡したり負傷した場合には、過失運転致死傷罪という7年以下の懲役などに処せられる可能性があります。

右直事故を予防するための対策方法

右直事故を予防するためには、右折車側も直進者側も注意しながら運転をしなければいけません。
交差点は右直事故に限らず交通事故が起こりやすい場所ですから、速度を必要に応じて落としながら、事故が起こるかもしれないと注意して走行することは右折車にとっても直進車にとっても大切な予防策と言えます。

右折車は、安全を確認できるまでは交差点に進入しないよう心がけることも必要です。
具体的には、道路の中央に寄った所で一時停止した上で、直進車が来ないことを確認してから速やかに右折しなければいけません。
もちろんそれまで高速で走行していた車が交差点で急ブレーキをかけることは危険行為なので、右折するなら交差点に差し掛かる前から少しずつブレーキを踏んで速度を落とすことも必要不可欠です。

直進車にとっても、交差点を直進する際には右折車がいるかもしれないと注意し、安全を確認しながら走行してください。
急に目の前に右折車が飛び出してきた時でも、すぐにブレーキを踏んで停車できるぐらいの注意が必要です。
万が一の事故が起こった時には、ドライブレコーダーを設置することで自己の状況を第三者が客観的に把握しやすくなります。
ドライブレコーダーを付けているからと言って事故を予防することはできませんが、状況を説明する証拠としては有効です。